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老後の一人暮らしにかかる生活費は?資金準備の方法についても解説

老後の一人暮らしにかかる生活費は?資金準備の方法についても解説

子どもの自立や配偶者との死別で一人暮らしになった場合や未婚の場合、老後にかけて資金が足りるのか不安に思っている方も少なくないでしょう。
今のうちに将来の資金計画を立てておくと、後々資金繰りに困るのを避けられます。
ここでは一人暮らしのシニア世代に向けて、老後に必要な生活費の目安と平均的な収入、さらに資金準備する方法について解説しますので参考にしてください。

一人暮らしの老後で必要となる生活費の目安

一人暮らしの老後で必要となる生活費の目安

一人暮らしのシニアが老後を生きていくうえで大切なのが、毎日の生活にいくらぐらいの資金がかかるのか把握しておく点です。
具体的な額を知らないままでなんとなく生活していった場合、将来的に資金不足に悩む可能性が高くなります。
そこでここでは、シニアの一人暮らしに必要な生活費について、総務省統計局によるデータ高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計を参考に確認していきましょう。
このデータによると、シニアの一人暮らしでかかる支出平均は1か月で15万5,495円となっています。
ほとんどの方に関連する項目は、食費が3万7,485円、住居費が1万2,746円、水道・光熱費が1万4,704円、医療費が8,128円、税や保険料が1万2,356円などです。
支出平均で見た場合、住居費が1万2,746円と比較的低く感じられますが、これはシニア層のうち自宅を所有している方の率が高いためでしょう。
シニア層でも持ち家がなく賃貸物件の場合は月々の家賃が発生するため、さらに住居費が高くなると考えられます。
また、保険医療費についても年齢が上がるほど金額が増えると予想されます。
次に、その他に必要となる生活費の内訳を見ていきましょう。
家具・家事用品費が5,956円、被服費が3,150円、交通・通信費が1万4,625円、教養娯楽費が1万4,473円、雑費・交際費が3万1,872円となっています。
公共交通機関が少ない地域に暮らしていてマイカーが必要不可欠な場合、車の維持費やガソリン代などが発生するため、交通費がさらに高額になるかもしれません。
反対にインフラが整っている地域に住んでいる場合は交通費をもっと節約できる可能性があります。
被服費や教養娯楽費、交際費などは、自身の趣味趣向や考え方次第で増減できるため、貯蓄に回すのも可能でしょう。

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一人暮らしの老後における収入はいくらぐらい?

一人暮らしの老後における収入はいくらぐらい?

老後の資金を考えていくうえで、収入について把握しておくのも大切で、収入と支出をもとに資金計画を立てるのが望ましいでしょう。

老後の収入平均の内訳について

引き続き先ほどの総務省統計局によるデータを参考に、今度は高齢単身無職生態の実収入から、1か月の収入平均額を見ていきます。
データによると、年金をはじめとした社会保障給付が12万1,496円、その他の収入として仕送りや事業・内職などによるものが1万3,419円となっています。
つまり、シニア世代の収入源の大半は年金を含む社会保障給付となっており、仕送りや内職で得られる収入はそれほど高額ではありません。
これはシニアになっても元気に働き続けている方もいれば、病気などで仕事に出られなくなってしまった方もいるなど、人によって状況が異なるためです。
そのため収入平均の項目で、その他の収入については1人ひとり異なります。

生活費の目安と収入平均から見えてくる問題

ここまでシニア世代の老後に必要な生活費の目安と収入平均について見てきましたが、それぞれの額を比較すると、ある問題が見えてきます。
データによると1か月の支出平均は1か月で15万5,495円、一方、平均収入額は人それぞれ異なるその他の費用を除いた社会保障給付のみで見ると1か月で12万1,496円です。
つまり、支出額に対して収入額が低く、計算してみると3万3,999円およそ3万4,000円不足しているのが分かります。
不足したままで生活していく場合単純計算すると、1年で40万8,000円、10年で408万円、20年になると816万円も足りなくなってしまいます。
その上、賃貸物件に住んでいる場合や公共交通機関が少ない地域で生活している場合は、さらに支出額が増えると予想されるため、より一層深刻な状況です。
また、持ち家がある場合には屋根や外壁、水回り設備などの修復など、自宅のメンテナンス費用も準備しておく必要があります。
平均データから見えてきた問題点を考慮し、まずは自分自身が生きていくうえで必要となる生活費や得られる収入について、具体的に調べるのが大切です。
自分の老後の一人暮らしに必要な金額が分かったら、お金の使い方や節約、また資金を増やす方法についても検討しましょう。

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一人暮らしの老後を迎えるにあたって資金準備をする手段

一人暮らしの老後を迎えるにあたって資金準備をする手段

必要な生活費や収入を算出し老後の資金が不足しそうな場合、すぐにでも資金準備を始め、少しでも安心して老後の生活を送れるようにしましょう。
ここからはシニア世代でも可能な、資金を増やすための手段について解説します。

シニアになっても長く働く

少し前までは悠々自適などの言葉とともに、老後を自由にのんびり暮らす方が多くいましたが、近年、シニアでも仕事を続ける方が増えています。
2021年に改正高年齢者雇用安定法が施行され、シニア層が働きやすい環境が整えられつつあるのも理由のひとつです。
また、近年の労働者不足によって企業では人手不足が深刻になっており、シニアでも比較的仕事を得やすい状況です。
もちろんお金を稼ぐために働いている方が大半ですが、仕事によってやりがいや生きがいを見出している方も少なくありません。
仕事をしていると、毎日決まった時間に出社するために早寝早起きの生活を送ったり、身体を動かしたりするので、健康維持の効果が期待できます。
さらに、多くの方とコミュニケーションを取る機会に恵まれるので、老後の孤独を感じにくくなり、明るい毎日を過ごせるでしょう。
このように、シニアになっても働き続ける場合、老後の資金を増やすだけでなく多くのメリットが得られます。

年金の任意加入や繰り下げ受給を検討する

シニアが受け取れる年金として、厚生年金と国民年金の2種類があります。
国民年金は20歳から60歳になるまでの期間加入が義務付けられており、さらに一定年数以上保険料を納める受給資格期間が決められています。
国民年金への加入年数が足りなかったり、受給資格期間が10年に満たなかったりすると老齢基礎年金が満額受け取れません。
そのような場合、一定の条件を満たせば60歳以降で国民年金に任意加入できる高齢任意加入があります。
さらに任意加入を65歳まで続けても足りない場合は、65歳以上から70歳になるまで任意加入が可能な特例高齢任意加入もあるので、自身に合った方法で検討しましょう。
また、年金の繰り下げ受給も資金を増やすのに有効な手段です。
現在、年金を受け取れる年齢は65歳からとなっていますが、繰り下げ受給をして受け取る年齢を先に延ばすと、毎月の受給額を増やせます。
繰り下げ期間1か月につき0.7%増やすのが可能で、5年間先に延ばせば42%も増やせるため、自身の健康状態や貯蓄額を考慮しながら決めましょう。

iDeCoやNISAを活用する

老後の資金準備の手段として資産運用も有効で、一般の方が始めやすいものとしてiDeCoやNISAが注目されています。
iDeCoは60歳までの間、公的年金にプラスして積み立てていく方法で、利益が非課税になる点、掛金が全額所得から控除される点がメリットです。
NISAは投資信託や株式を運用して得た利益が、定められた条件内であれば非課税になる点、いつでも解約可能な点がメリットです。
これらの非課税になった分をさらに投資すれば効率的に資金が増やせます。

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まとめ

老後の一人暮らしについて日本国民の平均データによると、支出が収入を上回る結果が出ています。
不足分を把握するためにも、自身の生活費がいくらかかるのか収入と照らし合わせて確認するのが大切です。
不足する、あるいは不安な場合は自身に合った手段で資金準備を進めましょう。