新社会人が一人暮らしを始めるときの家賃目安とは?

新社会人が一人暮らしを始めるときの家賃目安とは?

就職を機に、初めて一人暮らしをスタートする方は多いのではないでしょうか。
新社会人の給与では、無理なく支払える家賃に限りがあります。
そのため、部屋選びは慎重におこなう必要があるでしょう。
そこで今回は、新社会人が一人暮らしするときの家賃目安や、家賃を抑えるポイントについて解説します。

新社会人が一人暮らしするときの家賃目安

新社会人が一人暮らしするときの家賃目安

一般的に、家賃の目安は収入の3分の1以下が望ましいとされています。
仮に月々の給与額面が20万円なら、手取りは約16万円です。
もし家賃に6万円(20万円の3分の1)を充ててしまえば、手元には10万円しか残りません。
そのため、家賃を判断するときには手取り収入を基準に考える必要があります。
3分の1を基準にすると、手取り16万円では約4万8千円以下が適正な家賃の目安となります。
貯金や奨学金の返済などを考慮するなら、手取りの4分の1以下(約4万円)で考えると良いでしょう。

住民税にも注意が必要

住民税は、前年の所得に対して課せられる税金です。
そのため、前年の所得がない新社会人の1年目は住民税が徴収されません。
会社員の場合、住民税の天引きが始まるのは2年目にあたる翌年6月からです。
就職した年の4月~12月(9か月分)の収入に基づいて課税されるので、新社会人の頃より手取りが減る可能性がある点にご注意ください。
さらに社会人3年目以降は、1月~12月(12月分)の収入が基準になるので、税額はさらに増えると予想されます。
新社会人の時点で生活費が苦しい状況では、2年目・3年目はさらに厳しくなるでしょう。
そのため、初めて一人暮らしするときの家賃は基本的には手取りの4分の1以下を目安にするのがおすすめです。

新社会人の一人暮らしにかかる家賃と生活費の内訳

新社会人の一人暮らしにかかる家賃と生活費の内訳

初めて一人暮らしする場合、生活費にどのくらいかかるのかイメージが掴みにくいかもしれません。
そこで、一般的な新社会人の生活費はいくらくらいかかるのか内訳とともに見ていきましょう。
統計局が発表している「家計調査 家計収支編(2023年)」のうち、新社会人が含まれる単身世帯34歳以下のデータを見ていきましょう。
生活費に関するおもな支出項目の内訳は、次のとおりでした。

●住居:3万6,954円
●食料:3万8,666円
●光熱・水道:1万119円
●被服および履物:6,561円
●交通・通信:2万1,403円
●保険医療:5,019円
●教養娯楽:2万2,342円
●その他の消費支出:2万4,725円
●合計:16万5,789円


手取り16万円前後の新社会人の場合、生活費の内訳は上記のようになると考えられます。
支出のなかで家賃が大きな割合を占めていることからもわかるとおり、手取りの4分の1に収まる範囲で部屋探しをすることがポイントです。

生活費を見直すときのポイント

生活費を節約する際は、固定でかかっている費用にむだがないかどうかを見直すのがポイントです。
たとえば、格安スマートフォンに乗り換えたりモバイル回線を見直したりすれば、通信費を抑えられる可能性があります。
また、サブスクリプションサービスは月々数百円程度から手軽に始められるので、複数サービスを利用している方も多いのではないでしょうか。
このようなサービスはいつでも入退会できるので、利用頻度が低いものは整理するのもおすすめです。

月初に食費を決めてしまう

慣れない一人暮らしでは、ついつい外食に頼ってしまう場面も多いのではないでしょうか。
すると食費が増大する原因になるので、月初に食費の予算を決めてしまいましょう。
仮に、一か月あたりの食費を2万円にするとします。
週末に食材をまとめ買いをするなら、一度のお会計は5,000円以下に抑える必要があります。
そして昼食は、お弁当を持参すれば外食頻度を減らせます。
勤務先によっては社員食堂もあるので、社外の飲食店よりも食費を抑えられるでしょう。
ただし、無理な食費の節約は栄養バランスが偏るので注意が必要です。
たとえば、毎日飲み物を購入している方はマイボトルを持参するだけでも、数百円~数千円の節約効果が期待できます。

新社会人が一人暮らしで家賃を抑えるポイント

新社会人が一人暮らしで家賃を抑えるポイント

新社会人が一人暮らしを始めるときは、家賃設定が重要です。
少しでも家賃を抑えるため、賃貸物件探しの際は以下のポイントに注意しましょう。

賃貸物件探しの時期

新生活を控える1月~3月は、引っ越しシーズンとなるので賃貸物件が豊富に出回ります。
人気のお部屋はすぐに埋まってしまうので、家賃交渉は難しい時期といえるでしょう。
一方で、オフシーズンに当たる4月~6月や10月~12月は賃貸物件の動きは鈍ります。
賃貸物件のオーナーにとっては、空室リスクが高まる時期です。
そのため、引っ越しシーズンよりも条件交渉に応じてもらいやすくなります。
家賃そのものの値下げは難しくても、敷金・礼金の減額やフリーレントなどを交渉する余地はあるので、賃貸物件探しの際は交渉してみてください。
部屋探しのタイミング
では、オフシーズンに引っ越すためにはどのようなタイミングから部屋探しをすれば良いのでしょうか。
就活を終えた大学生の場合は、卒業式を待たずに部屋探しを開始するのがおすすめです。
すでに単位取得や卒論が終わっていれば、学校へ足を運ぶ頻度も減っていることでしょう。
そこで、ハイシーズン前の12月中に部屋を決めてしまう方法があります。
一人暮らしに慣れる期間もあるので、スムーズに社会人生活を始められるでしょう。
あるいは、実家から通える範囲に勤務先がある場合には、入社後に賃貸物件探しをしてみてはいかがでしょうか。
引っ越しを急ぐ必要もないので、じっくりと賃貸物件を選びたい方にもおすすめです。

家賃相場の低いエリアを選ぶ

賃貸物件の家賃は、エリアの相場に大きな影響を受けます。
人気エリアや駅近にある賃貸物件は家賃も高めに設定されているので、そのほかのエリアも探すと良いでしょう。
通勤の利便性も考慮するなら、快速や急行が停車する前後の駅が狙い目です。
各駅停車のみの駅は家賃相場が安い傾向にありますが、1駅移動すれば快速や急行も利用しやすい環境です。

新築や築浅の物件を避ける

新築や築浅の物件は、家賃相場も高い傾向にあります。
そこで、エリアや立地にこだわりのある方は築年数の浅い賃貸物件は避けるのがおすすめです。
築年数の古い物件でも、リフォーム済みで新築同然に生まれ変わっている賃貸物件は珍しくありません。
そのため、気になる物件が見つかったら内見へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

セキュリティには注意が必要

一人暮らしは留守にする時間が長いので、セキュリティ面に注意が必要です。
オートロックのない物件でも、防犯カメラが設置されている、不審者が隠れられる死角が少ないといった賃貸物件を選ぶと良いでしょう。
賃貸物件でも、玄関や窓に取り付けられる補助錠があります。
ピッキングに時間がかかると空き巣に狙われにくくなるので、留守が多い方におすすめです。
また、一人暮らしであることが知られないよう、洗濯物は外干ししない工夫も必要です。
とくに女性の場合、やむを得ず外干しする際は男性物の衣類をダミーで干すのも、防犯効果が期待できます。

まとめ

一人暮らしを始める新社会人が知っておきたい、家賃の目安やお部屋探しのポイントを解説しました。
家賃は手取りの4分の1〜3分の1以下を目安に考えるのがおすすめです。
しかし家賃以外にも生活費はかかるので、余裕をもって支払える家賃設定を意識すると良いでしょう。